ワキガの原因・治療法をわかりやすく解説|汗とニオイについて
汗とニオイの原因
ワキガ・多汗症の原因と汗腺の仕組み
ワキガのニオイと多汗症による過剰な発汗では、主に関係する汗腺や症状が生じる仕組みが異なります。
ワキガには主にアポクリン汗腺、多汗症には主にエクリン汗腺が関係します。それぞれの汗腺の分布や働き、ニオイが発生する仕組み、ワキガと遺伝の関係を知ることで、自分の症状に合った対策や治療方法を考えやすくなります。
このページでは、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違いをはじめ、ワキガ・多汗症の原因とメカニズムを医学的な情報に基づいてわかりやすく解説します。
エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違い
人の皮膚には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2種類の汗腺があります。どちらも汗を分泌しますが、分布する部位や役割、汗に含まれる成分、ニオイとの関係が異なります。汗の量が気になる多汗症と、脇のニオイが気になるワキガでは、主に関係する汗腺が異なるため、それぞれの特徴を理解することが大切です。
エクリン汗腺は体温調節を担う汗腺です
エクリン汗腺は全身のほぼすべての皮膚に分布しています。暑いときや運動時に汗を分泌し、皮膚表面から熱を逃がすことで体温を調節します。
エクリン汗腺の汗は大部分が水分で、分泌直後はほぼ無臭です。しかし、汗を放置すると皮膚常在菌が汗や皮脂を分解し、ニオイが生じることがあります。
多汗症では、エクリン汗腺から必要以上の汗が分泌されます。症状は脇、手のひら、足の裏、頭部・顔などに現れ、日常生活に支障を来す場合があります。

アポクリン汗腺はワキガのニオイに関係する汗腺です
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アポクリン汗腺は、脇や外耳道、乳輪、陰部など、毛が生える限られた部位に分布し、主に毛穴へ汗を分泌します。
分泌される汗には、たんぱく質や脂質などが含まれています。汗自体は強くニオいませんが、皮膚常在菌がこれらの成分を分解すると、ワキガ特有のニオイが生じます。
アポクリン汗腺の数や大きさには個人差があり、遺伝的要因も関係すると考えられています。
アポクリン汗を分泌
皮膚常在菌と混ざる
汗の成分を分解
特有のニオイが発生
エクリン汗腺
全身に分布し、主に体温調節を担う汗腺です。
分布:全身の皮膚
分泌先:皮膚表面
成分:水分が中心
主な役割:体温調節
関係する悩み:多汗症
アポクリン汗腺
脇などに分布し、ニオイに関わります。
分布:脇・外耳道など
分泌先:主に毛穴
成分:脂質・たんぱく質
主な役割:ニオイに関与
関係する悩み:ワキガ
ワキガのニオイが生じるメカニズム
ワキガのニオイは、アポクリン汗腺から出る汗そのものが強くニオうことで発生するわけではありません。
アポクリン汗腺から分泌された成分を皮膚常在菌が分解することで、ワキガ特有のニオイが生じます。皮脂や蒸れ、衣類の通気性なども、ニオイの強さに影響する場合があります。
アポクリン汗腺から汗が分泌される
アポクリン汗腺から、たんぱく質や脂質などを含む汗が分泌されます。分泌された直後の汗は、基本的に強いニオイを発するものではありません。
皮膚常在菌が汗の成分を分解する
皮膚表面に存在する常在菌が、汗に含まれる成分や皮脂などを分解します。脇は衣類で覆われて蒸れやすいため、汗や皮脂が残りやすい環境です。
ワキガ特有のニオイが生じる
皮膚常在菌が汗の成分を分解する過程で、ワキガ特有のニオイが生じます。汗腺の数や分泌量、皮膚環境には個人差があるため、ニオイの程度も人によって異なります。
ワキガのニオイを考えるときは、汗の量だけでなく、汗腺の種類、皮膚常在菌、皮脂、蒸れなどをあわせて理解することが大切です。
ワキガと遺伝の関係
ワキガになりやすい体質には、遺伝的要因が関係すると考えられています。家族にワキガの人がいる場合、アポクリン汗腺の特徴や分泌物の性質など、ニオイに関係する体質を受け継ぐ可能性があります。
ただし、家族にワキガの人がいても必ず発症するわけではありません。アポクリン汗腺の数や大きさ、皮膚常在菌、生活環境などにも個人差があるため、ニオイの程度も人によって異なります。
ABCC11遺伝子とワキガ体質
ワキガ体質には、「ABCC11」という遺伝子の型が深く関係しています。この遺伝子は、アポクリン汗腺から分泌される成分や、耳垢のタイプに関係することが分かっています。
ABCC11遺伝子の型によっては、アポクリン汗腺からニオイのもととなる成分が分泌されやすくなり、ワキガ特有のニオイにつながる場合があります。

湿った耳垢はワキガ体質と関連があります
耳垢が湿っている人は、ワキガ体質に関係するABCC11遺伝子の型を持っている可能性があります。そのため、湿った耳垢はワキガ体質を考える際の特徴の一つとされています。
ただし、耳垢が湿っていることだけでワキガと判断することはできません。家族歴や耳垢の状態はあくまで参考情報であり、ニオイの有無や程度を確認するには医師による診察が必要です。
遺伝するのは「ワキガという症状そのもの」ではなく、「ワキガになりやすい体質」です。自分や家族の体質が気になる場合も、必要以上に不安を感じず、症状に応じて医療機関へ相談しましょう。
多汗症の原因と原発性・続発性の違い
多汗症は、汗の量が多いだけでなく、過剰な発汗によって日常生活に支障が生じる状態です。原因によって「原発性多汗症」と「続発性多汗症」に分けられ、必要な対応も異なります。
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原発性多汗症
原発性多汗症は、発汗の原因となる明らかな疾患がないにもかかわらず、必要以上の汗が出る状態です。自律神経の働きや遺伝的要因などが関係すると考えられていますが、詳しい原因は分かっていません。
脇、手のひら、足の裏、頭部・顔など、限られた部位に症状が現れるものを「原発性局所多汗症」といいます。幼少期や思春期頃から症状がみられることもあります。
続発性多汗症
続発性多汗症は、疾患や服用している薬剤などの影響で、必要以上の汗が出る状態です。全身に汗をかく場合もあれば、脇や手のひらなど特定の部位に症状が現れる場合もあります。
急に汗の量が増えた、睡眠中にも大量の汗をかく、発熱や動悸など別の症状を伴う場合は、原因を確認するために医療機関へ相談しましょう。原因となる疾患への治療が必要になることもあります。

